【RPE】★日本自立の確かな道筋

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      ロシア政治経済ジャーナルNo.2598



                      2024/2/15


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全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!

北野です。


(@一部書籍のPRがあります。)



私は、2005年に出版した初めての本『ボロボロになった
覇権国家アメリカ』の中で、


「日本はアメリカ幕府の天領である」


と書きました。

この件で批判されたことは一度もありません。

みんな、日本はアメリカの属国であることを知っているの
です。


そして私は当時から、「日本は自立するべきだ」と主張し
てきました。

この件でも、反対されたことはありません。

みんな、「日本は自立するべきだ」と思っているのです。


しかし、ここでおそらく99%以上の人は、思考が停止する
でしょう。


「どうやって、日本はアメリカから自立するのか?」


具体策を思い浮かべることができません。



アメリカと戦うという下策



日本で大流行しているのは、


グローバリズム 対 ナショナリズムの戦いが起こって
いる」


という説です。

実際、プーチンナショナリストであること、

彼がグローバリズムと戦っていること

はその通りでしょう。


しかし、この説には善悪論的重要な補足があります。


グローバリズム 対 ナショナリズムの戦いが起こって
いる。

グローバリストは悪で、

ナショナリストプーチンとトランプは、【 善だ 】」



私は、この説に同意できません。

なぜでしょうか?

ナショナリストの英雄プーチンが支配するロシアでは、


「戦争反対!」とプラカードを持って歩いたり、

SNSに投稿するだけで逮捕される可能性が高い。

そして、懲役15年の実刑をくらう可能性があります。

プーチンを公然と批判しても、同じようなことが起こり得
ます。


皆さん想像してみてください。

岸田さんのことを批判したら、逮捕されて懲役15年の日本
を。


だから私は、「ナショナリストは善でグローバリストは悪」
ではなく、


ナショナリストも悪、グローバリストも悪」


と見ることをお勧めしています。


さて、「ナショナリスト=善」と信じる人たちは、


グローバリズムの総本山アメリカと戦え!」と主張しま
す。

日本はアメリカの属国なのだから、「宗主国を打倒すれば
いい」と。

なんとなくわかります。


しかし、これは「下策」です。

冷静に考えてみてください。

日本のエネルギー自給率は、2020年時点で11%でした。

そして日本は原油の約9割を、サウジアラビア、アラブ首長
国連邦など中東諸国から輸入しています。

中東から日本に続く海路は、アメリカが支配している。

日本が表立ってアメリカに反逆すれば、先の大戦時同様、

石油を止められて終わりです。


日本がアメリカと戦うべきでない理由が他にもあります。

日本が米軍を追い出したとしましょう。

中国は、速やかに尖閣を奪うでしょう。

さらに中国は、沖縄を奪うでしょう。

なんといっても中国は、


「日本に沖罠の領有権はない!」


と宣言しているのですから。

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この動きに対してアメリカは、


「米軍を追い出した日本はもはや同盟国ではない。
中国の好きにしてもらってOK」


というでしょう。


というわけで、


「日本はナショナリスト陣営についてアメリカと戦え!」


というのは、まったく非現実的で危険で愚かであることが
わかるでしょう。



▼日本自立のための確かな道筋



では日本は、永遠にアメリカの属国でいつづけるしかない
のでしょうか?

そんなことはありません。

日本が自立できる確かな道筋は存在します。

なんでしょうか?



今の路線を堅持することです。

つまり、アメリカとの関係を良好に保つことです。



「・・・・・全然自立になってないだろ!?」


そう思うでしょう。

しかし、ここで「国家ライフサイクル」の話が出てきます。

「国家ライフサイクル」で見ると、これからの世界で



・中国は、

国家ライフサイクルが高成長の成長期から、低成長の成熟
期に入ったこと、

人口が急減していくこと

で長期的に衰退していく。


これ、最近の中国の経済危機を見た「後付け」ではありま
せん。

私は2005年の『ボロボロになった覇権国家アメリカ』から
一貫して、


「国家ライフサイクルで見ると中国の高成長は2020年まで」


と書き続けてきました。

信じられない方は、私の過去本で確認してみてください。



アメリカは、

19世紀の覇権国家イギリスが20世紀衰退したように、

20世紀の覇権国家アメリカは21世紀衰退していく。


これも、2005年から一貫して書き続けていることです。

アメリカが長期で衰退していく中で、この国は、どういう
行動にでるでしょうか?

日本とアメリカの関係が良好であれば、


アメリカの衰退分を日本にやってもらおう」


と考えるでしょう。

つまり、アジアの安全保障は、


アメリカの弱体分を日本が補う」


そのためにアメリカは、「日本を強化しなければ」となる
でしょう。

なぜアメリカは、岸田さんに、「防衛費を大幅に増やせ!」
と圧力をかけたのか。

アメリカがすでに、欧州、中東、アジア3地域の安全を保証
できるほど強くないからです。


岸田さんがアメリカの流れに乗ったので、


「岸田はアメリカのポチだ!」


と批判する人がたくさんいます。

しかし、待ってください。

右も左も、「自分の国は自分で守る体制をつくる」という
点では意見が一致しています。

防衛費を増やさずにどうやって自分の国を自分で守る体制
をつくるのでしょうか?


日本が、「アメリカからの軍事的自立を目指します!防衛
費を倍増します!」

と宣言すれば、アメリカは、

「何?
属国が何を言っている!
石油を止めてやる!」

となるでしょう。

しかし、現状は、


アメリカさんから圧力がかかったので、仕方なく防衛費
を増額します」


ということで、「アメリカのせいでイヤイヤ」となってい
る。

しかし、結果的に強くなり、軍事の自立に近づくのは日本
です。


岸田さんの問題は、別のところにあります。


「防衛費を増やすために、国民に年間1兆円負担してほし
い」


などと詭弁を弄して、増税の口実にしていることです。

岸田さんの問題は、「アメリカのポチ」であることではあ
りません。

なんでもかんでも増税の口実にする「財務省のポチである
こと」です。


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というわけで、日本がアメリカからの自立を成し遂げる確
かな方法は、


アメリカと引き続き良好な関係を保つ

アメリカは今世紀、必然的に衰退していく

アメリカは、アジアにおける負担を減らすため、同盟国
日本の役割を増そうとしていく(すでにその動きあり)

・日本はアメリカの求めに応じ、「仕方ないですね」とい
う感じで、イヤイヤ防衛力を強化していく

アメリカが衰退するにつれ、日本の自立度は増していく



これが、「戦わずに自立を達成する確かな道筋」になりま
す。

「日本はナショナリストの英雄プーチンと共に、
グローバリズムの総本山アメリカと戦え!」


のような、敗戦必死の愚策をしなくとも、

安全に、自動的に自立を達成する方法があるのです。


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