国会でチャットGPTが初質問 岸田首相「私の方が…」 AIに対抗心?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース


国会でチャットGPTが初質問 岸田首相「私の方が…」 AIに対抗心?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

白鳥浩
法政大学大学院教授/現代政治分析
近年、こうしたチャットGPTなどのAIの発展が目覚ましい。 少し前には、チェスや将棋の手をAIが考えていたが、現在では外国人の卒業式における答辞等にも使用されているということも報じられている。 国会で、こうした質疑応答が行われてしまえば、その答弁の責任はどこに行ってしまうのだろうか。国会の答弁は政策に直結する場合もある。その場合、AIがその責任を負うのか、それともAIを使用する質問者が責任を負うのだろうか。 国会における答弁はそれほど軽いものではない。 現代の民主主義について考える一つの事例である。

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小木曽健
国際大学GLOCOM客員研究員/執筆業
本件、見方を変えれば、中谷氏が 「私はチャットGPTで代替できる程度の議員です」 と宣言しているのと同じであり、正直笑えません またチャットGPTは、過去の出来事から未来を予想する道具なので「予測不能な将来を扱う国会」で、嬉々としてそれが使われる光景には少し違和感を覚えました 相手の答弁をチャットGPTで予想・披露するのも「あなたとAI、どちらが賢いか比較しますね」という意味であり、相手に失礼な行為です。こういうのは今後「AIハラスメント」と呼ばれるのでは? いずれにせよ、あまり好ましくない活用事例だったと言えます

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島徹
モバイル/IT/ガジェット系フリーライター
中谷一馬 立憲民主党 神奈川7区(横浜市港北区都筑区)が国会での質問に利用したChatGPTは、2021年9月以前の情報しかデータセットしか持っておらず、間違った情報も生成します。 また、実験的にチャットAIの応答をそのまま利用するなら、利用条件や応答内容を明かさないと意味がありません。質問や条件付けにはセンスが必要ですし、短期的に個人の意図した内容を学習させて思い通りの回答を出すことも可能です。 また、国会議員であれば懸念されている入力内容の学習に関する配慮の説明も必要でしょう(ChatGPTもWebとAPIで扱いが異なる)。神奈川7区(横浜市港北区都筑区)の人は良いのでしょうが。 どうせなら、国内のAI研究開発と支援の状況説明や、政府機関の対話型AIの扱い、学習内容や運用が政府や企業によって偏ったAIの扱いの懸念などに質問してくれた方がよほど役立つ内容だったと言えるでしょう。

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山口健
ITジャーナリスト
質問文を考えるのにChatGPTを使う場合、文章の推敲やアイデア出しに使うのであれば有効ですが、質問自体をChatGPTに考えさせるのはあまり良い使い方とは思えません。 ChatGPTは体系的な知識があるわけではなく、過去に学習したデータから確率的に高い言葉をつなげるように文章を作るため、不正確な内容やバイアスが含まれることがあります。そうして作った質問を人に投げかけるのは時間の無駄であり、議論を間違った方向に誘導する恐れもあります。 ChatGPTのようなツールが広く普及することで、出てきた回答を真に受けて行動するような人が増えることが危惧されています。AIの使いどころを見極めるリテラシーが求められるでしょう。

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酒井麻里子
ITライター/株式会社ウレルブン代表
質問を考えるときにChatGPTを活用するのであれば、「自分では見落としていた視点を補足する」「自分で考えた質問をAIと対話しながら掘り下げる」といった、思考の補助ツールとしての使い方が適していると思います。 精度や生成結果の信憑性をかんがみると、対話型AIで生成されたものをそのまま無加工で使うことは現時点ではあまり現実的ではありません。 今回は新しいものを試みに使ってみたという感じだと思いますが、ChatGPTなどのAIツールは、「どこで、どう使うか」を適切に選ぶことも大切です。

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