デービッド・アトキンソン  From 三橋貴明

■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■ 『三橋貴明の「新」経世済民新聞』  2020年9月14日  デービッド・アトキンソン  From 三橋貴明 ■□━━━━━━━━━━━━━━━━□■ ※配信解除は、最下部でできます。 【近況】 【今週のNewsピックアップ】 菅・アトキンソン内閣 https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12623592222.html 日本経済の主人公である「中小企業」を守る https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12624068543.html かつて、帝国主義という名の 「グローバリズム」全盛期、欧米諸国、 厳密には欧米諸国を本拠地とする グローバル投資家や多国籍企業は、 軍事力を背景に各国(いわゆる植民地)の政治に介入。 特定の「誰か」の利益最大化が可能な、 収奪型の政治制度へと変えていきました。 今日、さすがに軍事力による外国への干渉は 困難になっています。 となると、どうすればいいのか。 例えば、長引く経済低迷で 自信を失っている「世界最古の国」において、 「その国」の文化伝統を褒め称えるのです。 そして、純粋たる善意をもって、 「その国」の文化伝統の維持、 発展のために尽くす(ふりをする)。 大げさに「その国」固有の文化を礼賛すれば、 自信を失っている「その国」の国民は大喜び。 外国人である「彼」を無条件で 信頼するようになります。 実は「彼」は、 元ゴールドマン・サックスという、 輝かしき経歴を誇るグローバリスト なのではございますが、誰もそこには気が付かない。 あるいは、気にしない。 国際金融資本の顔を隠した「彼」は、 「その国」の人々に好意的に 受け入れられた上で、元々の目的であった 「グローバリズム」の主張を展開し、 特定の「誰か」向けの収奪型制度へと変えていく。 最初は、「その国」の文化伝統と関連が深い、 観光業から推すのが良いでしょう。 実に、それっぽい。 「「この国」にはこれだけ立派な、  古来から伝わる文化伝統が  残っているのです。  是非とも、世界に向けて発信し、  外国の皆様にお越し頂きましょう。  インバウンド! インバウンド!」 と、外国人「様」の需要にすがる、 惨めな成長戦略「インバウンド」を提言。 さらには、インバウンドにかこつけ、 「その国」の治安や秩序に壊滅的な ダメージを与える「カジノ」を推進。 さすがに「カジノ推進」とは言えないので、 「IR推進」と呼び変えていますが。 やがて、観光とは全く関係がない 「中小企業の再編」を言い出す。 その際には、 「「この国」の問題は、働き手の所得が低いことだ。  そして、働き手の給与が低いのは、  生産性が低い中小企業が中小企業基本法で  保護されているためだ。  中小企業を再編するべきである。  最低賃金を強制的に引き上げ、  その程度の賃金すら払えない中小企業は淘汰し、  新陳代謝を高め、国民の所得を高めよう」 と、いかにも「その国」の国民のことを 考えている風のレトリックで、 元々の目的であった中小企業再編という 「構造改革」を声高に叫ぶ。 ちなみに、日本の中小企業の生産性が 低いのは確かですが、 理由は「デフレで仕事がない」ためです。 仕事が不足する状況で、 生産性向上の投資をする経営者はいません。 問題は「仕事がない」なのですが、 「中小企業が保護されていること」へと 問題をすり替え、地方経済の雇用の担い手の 中心である中小企業を「再編」という名の下に潰していく。 すると、確実にデフレが深刻化するため、 さらなる構造改革を推進できる。 いやあ、見事なものです。 さすがは、国際金融資本の代理人。 お分かりでしょうが、「その国」とは日本国。 「彼」の名はデービッド・アトキンソンと言います。