岡田武史が本当に実現したいことは? 視線はサッカーを超えて、その先へ

日本人が自立していないという傾向は、なにもサッカーだけの話ではなく、日本人全体に言えること。

(中略)

自立した選手が2、3人くらいでは、自律したチームにはならないというのが俺の感覚。そうした選手が6、7人集まったら違うかもしれないけど、2、3人だと周りに順化しちゃうんだよ。収まっちゃう。面白くないと言ったらアレだけど。

 それは日本人の素晴らしいところでもあるんだけど、実は大きな問題でもあると思う。日本人はそれを日本人の素晴らしさだと美化している。それはそれでいいんだけど、裏返すと、大きな問題でもあると理解しないといけない。おそらく日本が島国じゃなかったら、この民族は絶滅しているよ。

――四方八方から、あの手この手で攻め込まれてしまって。

 そんなお人よしみたいなことを言っていたらね。俺はこれからは生きていくのが大変な時代が来ると思っている。たくましさが必要というか。生存競争というのに近いくらいのね。そのとき、日本民族が生き残れるかどうかは、スーパーリーダーが登場するかどうかじゃなくて、一人ひとりが自立できるかどうかに懸かっていると思っていて。

(中略)

日本人は愛社精神が強いと言われるけど、データを取ったら全然違うんだ。自分が属する会社へのロイヤルティーが日本人は低くて、みんな献身的にやっているように見えるだけ。内心は愚痴と不満が溜まっていて、酒でも飲まないとやっていられない、ということが多い。

 でも、アメリカの会社なんかは、俺はこの会社で働きたいからここにいる、働きたくなくなれば辞めるという人間の集まり。日本は仕事の効率が悪いというけど、当たり前や。本当の愛社精神がないんだもん。俺は、そういうものを変えてみたいという思いがあって、今、チャレンジしているんだけどね。

 

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岡田武史ロングインタビュー】

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